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「こころの健康づくり対策研修会」に参加して

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去る平成20年1月28日(月)~30日(水)に千里ライフサイエンスセンターで行われた平成19年度PTSD(心的外傷後ストレス障害)対策専門研修会(アドバンストコース)に参加してきました。本研修会は厚生労働省より補助金を受けて社団法人日本精神科病院協会が主催しています。私は昨年度新設されたアドバンストコースは引き続き2回目で、通常の一般コースを含めると平成17年度より毎年参加しています。日精協会員病院よりむしろ市役所や県庁などの自治体関係をはじめ、保健所やこころの健康センター(県の精神保健福祉センター)、児童相談所の職員や保健師、臨床心理士、PSW、国公立病院の看護師の参加が多く(コ・メディカルが半数を占めます!)、医師についても国立精神神経センター関連病院や大学病院、公的医療機関、小児科医の方々の参加も一部見受けられるのが印象的です。アドバンストコースですので、PTSDの歴史的背景や病態生理・症状についてある程度知識があるものとして講習会は進んでいきます。

中でも、PTSDのスペシャリストとしてお馴染みの東京都精神医学総合研究所の飛鳥井望先生(「大都市東京における心の健康危機管理プロジェクト」リーダーを兼任されています)による日常臨床で使えるPTSDに対するトラウマ焦点化認知行動療法が大変、臨床に役立つものとなりました。PTSD及び心的外傷性悲嘆についての心理教育から始まり、実生活内暴露(In Vivo Exposure)、読み上げ法によるイメージ曝露(Imaginal Exposure)など、Videoを交え懇切丁寧に教えて頂き、参加者らと各々の場面でのロールプレイを行い、より確かなものとして学習できたと思います。実際の臨床場面では個人的には、これらの治療に加え、薬物治療として、欧米では既にEBM(Evidence Based Medicine)の得られているParoxetine(パキシル)やSertraline(ジェイゾロフト)を充分な量まで使用し、治療初期にはClonazepam(ランドセン)をフラッシュバックの軽減に対して併用することが一般的です。加えて認知の再合成(通常の認知療法)、臨床心理士によるリラクセーション・自律訓練法を行うことが多いですが、いずれの治療も患者さんの高いMotivationがなければ臨床効果は得られません(ですから、しっかりとした初期の心理教育が必要なのです)。

普段、私が診療していますJクリニックには、年間10名前後のPTSD患者(患者のファンタジーによる偽外傷体験を区別すると、その後の経過で純粋なPTSD患者といえるのはその半分程度になります)が訪れますが、その外傷体験の多くは生活のパートナーや肉親によるDVなどの肉体的虐待・性的虐待(その他交通事故)がほとんどです。本研修会では、これまでの阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件、和歌山毒入りカレー事件、えひめ丸事件、明石歩道橋事故に加え、新たに今回、新潟県中越地震、JR福知山線脱線事故における精神保健医療対策の実際の一部を教えて頂きましたが、昨年に続き、人為及び自然災害の精神保健活動についてグループディスカッションを行い、全体討論することも行われました。特に上記災害の担当経験がある関西や新潟県の保健師をはじめとするコ・メディカルのコメントは興味深いものがあります。特に初期の心理教育と啓発、アウトリーチ活動とスクリーニング、ハイリスク群への対応など、我々医療機関のすることは限られていますが、ここでもチーム医療や地域医療との連携の重要性を再認識しました。一方で、個人情報保護の問題で(特に大規模交通災害において)、加害者側(企業)や警察側が被害者の個人情報の提供を頑なに拒否され、適切な医療的介入が遮断されること、各県におけるマニュアル化が徹底されていないこと、ご遺族への介入方法やタイミングが困難なこと、PTSDに罹患した患者さん達は回避傾向が強く、医療機関への抵抗感から実際に受診した例は少ないこと……など問題は多いですが、一方では、経験のない医療従事者がPTSDという診断をあまりにも安易につけ過ぎる傾向が散見され、それを狙ってか?一部の患者側からも意図的に受診なさるケースもありますので、注意が必要です。いずれにしても、これからは我々医療機関が啓蒙・啓発や情報を発信していく必要性を感じました(いずれ心理教育シリーズに繋げたいですね!最近、ご無沙汰して申し訳ございません↓)。

毎年参加して気になったのが、県内の参加者が非常に少ないこと……。去年は特に能登半島地震がありましたので、誰か知り合いに会えるだろう?と楽しみにしていましたが、今回は私1人の状況でした。去年、地震発生当初、何人かの知り合いの保健師さんからPTSDに関する情報や、現場に持っていけるハンディタイプの参考書はないか?など問い合わせがありましたが、彼らははたして上手く対応できたのか?と心配しておりました。当グループでも看護師や臨床心理士の数名が現場に行かれましたが、今回は経験のある県外グループが何らかのイニシアチブを執られたと聞いております。もし、大規模な災害がもっと身近な場所に発生した場合に精神科医療機関として我々がどう対応していくべきか?非常に難しい課題として熟慮していかねばなりません。来年度は是非、コ・メディカルの職員も参加してみませんか?


Jクリニック
http://www.jotoyasuragi.jp/clinic/index.html
院長 岡 敬
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by jotoyasuragi | 2008-02-11 19:30 | 研修会報告

金沢市にある医療・福祉施設です。


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